メラニン除去術
歯ぐきの色がピンク色をしていなくて黒ずんでいる場合は歯周病、不適合の差し歯、喫煙などが考えられます。
歯周病の場合には、歯周病をきっちりと治すことが大切です。差し歯の場合には、差し歯の再治療を、喫煙の場合は、歯肉メラニン除去術があります。
メラニン除去術は、黒く変色している歯ぐきを高周波治療機により表面のメラニン部分を除去します。
薬物療法による治療に比べ通院回数が軽減でき大体1回の受診で完了します。
治療例
喫煙により左右の犬歯間の歯ぐきの黒さが目立ちます。
上の歯ぐきのみ手術した10日後の写真です。歯ぐきはきれいなピンク色をしています。
治療の流れ
初診・検査
口腔内写真やレントゲンにより他の疾患との鑑別診査をします。
術前
表面麻酔(塗り薬)と局所麻酔をします。高周波にて表面のメラニンを除去します。
術後
手術当日は刺激物の摂取は控えてください。約10日位で完治します。
歯ぐきの変色は一時的には手術で治りますが、継続的な喫煙は歯ぐきの変色を再発させるので、以後の禁煙をお勧めします。
喫煙は、呼吸器系疾患だけではなく、歯周病を引き起こしやすいことが近年の研究でわかってきました。
歯ぐきの色だけではなくその奥に潜んでいる歯周病にも目を向けることが大切です。
智歯抜歯(親知らず)
他の歯と比較して、萌出方向が水平に倒れて、歯の一部しか見えていない、あるいはまったく生えていないなどいろいろなケースがあります。
そのまま残していると親知らずが腫れてお口が開かなくなり、隣の歯がむし歯になる可能性が高いです。
ただ親知らずの抜歯は切開縫合など併用した複雑な術式になり、術後も出血や感染などの注意を払う必要があります。
治療例
左下の親知らずが水平に埋まって前方の大臼歯を圧迫しています。
術後3ヶ月のレントゲンです。前方の歯にはむし歯がありませんでした。
舌小帯切除術
舌の裏の小帯が口腔底に過度に癒着していると、舌の動きが悪くなり発音障害や むし歯、歯周病などに罹患しやすいといわれています。
通常は、癒着している部分を切開して縫合するのですが、高周波治療器を使用すると術中の出血が少なく、縫合もしないので術後の抜糸の必要もありません。
手術時間も数分で終了します。
治療例
舌を挙上しても舌の先がつっぱってくびれが目立ちます。舌の動きが悪いため歯肉炎を併発していました。
術後は、口も開きやすくなり、舌の動きも改善しました。縫合はしていません。
歯根端切除術、歯根のう胞摘出術
歯の根の奥の病巣を歯の根の一部といっしょに外科的に摘出する方法です。
従来の非外科的処置では治療困難な場合に施行します。
治療例
歯の根の部分に黒い影が見られます。
歯の根の部分に相当する歯ぐきを切開し歯の根の一部と病巣ごと摘出します。
縫合して終了です。
術後のレントゲンで確認します。(摘出した部分に人工骨を埋入しています。)
粘液のう胞摘出術
くちびるの粘膜の下には、唾液を分泌するための腺があります。たとえば唇を噛んでしまってその唾液腺が傷ついてしまうと、唾液が唇の粘膜の内側にたまってしまい、プクッと腫れて袋を形成します。違和感があるため根こそぎ袋ごと取り除く必要があります。
治療例
左下の唇の裏に袋を形成しています。
袋ごと摘出した2週間後です。
歯牙自家移植術
歯の保存が不可能な場合、やむを得ず抜歯することがあります。抜歯した後は、入れ歯にするか?ブリッジにするか?インプラントにするか?に分かれますが、症例によってはご自身の歯牙(親知らずが多いです)を使って抜歯した部位に移植することもあります。症例によっては保険適用となります。
治療例
右上の奥歯が保存不可能な歯牙でした。その奥のほうに親知らずが残っています。
親知らずを抜歯した後、手前に移植しました。